ウェーバー(うぇーばー)とは {ドイツ・物理学者・人物}

ドイツの物理学者。電磁気学の形成期に活躍した。

ウィッテンベルクの生まれ。1822年ハレ大学に入学、シュワイガーに師事し、学位論文(1826)、教師資格論文(1827)ともリード・オルガンの音響学に関してまとめた。

28年ハレ大学講師、同年、ベルリンでの学会でA・フンボルトとガウスに認められ、31年ゲッティンゲン大学物理学教授となり、以後ガウスと共同研究を行った。

ガウスのおもな関心は磁気の絶対単位(磁気の強さの長さ、時間、質量による表現)を求めることにあった。

2人はゲッティンゲン磁気協会を創設し、ウェーバーはさまざまな計測装置を開発し、全国の地磁気を示す地図をつくった。

また電流の絶対単位の測定にも着手した。

1837年、ハノーバーの元首による大学の自由の侵害に反対して大学を追放されたが、43年ライプツィヒ大学物理学教授となり、新しく開発したダイナモメーターにより、電流相互の力をアンペールよりも詳しく測定し、46年には2本の導線中を運動する電荷の間に働く力の表現として次の式を提出した。

彼は正・負2種類の電荷の反対向きの流れを電流だと考える。

第1項はクーロン力を表すが、第2項以下に電荷間の相対速度、加速度に依存する項を導入することによって、電流の相互作用力、電磁誘導の力を求めることができる。

この式がエネルギー保存則を満たすか否かをめぐって、47年以降ヘルムホルツと長期間の論争となった。

49年ゲッティンゲン大学に復帰、コールラウシュとの共同で前記式の定数c(電磁単位と静電単位の比)の決定、反磁性の研究などに着手した。

結果的にはcは光の速度に比例する量であることがわかったが、当時、特別に注目はされなかった。

また反磁性の原因については、個々の分子の周りの電流によって物質の磁性が決定されるというアンペールの分子電流のモデルを用いた。

ゲッティンゲン時代の後半は、電気伝導や熱伝導などのさまざまな物性を電気粒子の運動によって理解しようとし、19世紀後半の電子論の先駆けとなった。

ウェーバーの電磁気学はマクスウェルの場の理論に結局は駆逐されたが、電磁気学形成期における測定装置の向上と客観的な単位の設定に果たした役割は大きい。
update:2009年08月21日